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種の噂がもしライブドアから出ているとすれば、ライブドアのフジテレビM&Aにとって致命傷になりかねません。
「風説の流布」という問題はありますが、フジテレビジョンを防衛するために、フジが種の噂を流して、フジの株価を高くすることはありえないことではないでしょう。
3月22日に発表されたフジテレビの「新株発行枠登録」も本来はフジの株価を高め、ライブドアの買収コストを高めるねらいがあったと思います[ただし、翌23日は「ライブドアが当面TOBをしない」というニュースでフジ株は22,000円(6.8%) 大幅に下げました]。
もう1つはライブドアがフジサンケイグループを支配できても、同グループの従業員がライブドアの経営方針を支持してくれなければ企業を経営できず、クリアーできないかもしれません。
永守重信日本電産社長は「ライブドアは資本の論理を表に出しすぎた。
間違いではないが残念ながら日本では資本の論理を一番に出せば反発が出る。
経営者は反発しているが、社員はH江(貴文)さんのほうがいいと思っているかもしれない。
そう思われていなければ、乗り込んで、いってもカギになる人材に辞められたり反発されたりしてしまい結局、何もできなくなってしまう。
経営者の支持は受けなくてもいい。
過半数の株を持てば辞めさせられる。
いまの経営者がいなくなって従業員がバンザイするのか、そうではないのかが重要だ」(W日本経済新聞.12005年3月2日)と述べていますが、これがポストM&Aマネジメントの最重要問題です。
日本の経済社会では「才能」だけではうまくいかず、“ホリエモン"がもし才能はあるが、人徳はないとすれば、“ライブドア対フジ問題"は堀江社長がニッポン放送を支配し、さらにフジサンケイグループを支配したとしても、「企業価値の創造に失敗した」という理由で敗者になっていたかもしれません。
ニッポン放送買収は堀江社長が事前に描いた見取り図通りになったかもしれませんが、日本の経済社会においては、敵対的買収が企業価値創造に失敗しやすいものであるという認識は“ホリエモン"にあるのでしょうか。
日本のファイナンスにおいては、「証券化」という言葉は2つの意味で用いられています。
第1の意味は、日本の企業の資金調達が、従来の間接金融(銀行借入)から直接金融(債券または株式発行)に移行することを指しています。
第2の意味は、売掛金債権、割賦債権(自動車ローン債権等)、リース料債権、住宅ローン債権、貸出債権、社債や不動産(ビル等)などの保有資産を、「SP」(特別目的会社)それらの資産を担保に「資産担保証券」(ABS)を発行して、投資家に販売することを指しています。
SPCは債権の回収金などで、投資家に対する元利の支払いを行います。
つまり、債権等の非流動的な資産を、投資家が購入できる流動的な証券に変えることを指しています。
産の内容によってはより有利な条件での資金調達を可能にし、財務内容を改善できます。
また、投資家にとっては、投資の選択肢の幅を広げます。
いまX社の格付けがBB、Y社の格付けがAAであるとしましょう。
貸出金利の上昇と貸し渋りの影響を受けているとしましょう。
X社は現状より低い金利での、新しい資金調達方法はないものだろうかと検討し、得られた結果がY社に対する売掛金債権の証券化であったとします。
他資本金まず、X社は「証券化」のために、資本金1億円でSPC (特別目的会社)を設立します。
X社は、SPCに対し、Y社に対する売掛金債権20億円を売却します。
貸借対照表上では、X社の資産項目から、Y社に対する売掛金債権20億円が落ち、SPCの資産項目に、Y社に対する売掛金債権20億円が計上されます。
X杜は売掛金債権の売却資金20億円で、借入金(格付けBB)20億円を返済します。
貸借対照表上では、X杜の負債項目から、借入金20億円が落ちます。
掛金債権を担保に「資産担保証券」(ABS) 20億円を発行して、投資家に販売します。
売掛金債権は格付けAAのY社に対するものであることなどから、ABSは格付け会社からAAの格付けを得、ABSによる調達金利は、X杜の借入金利より低くなります。
SPCは売掛金債権の回収金で、投資家に対する元利の支払いを行います。
かくて、X社は売掛金債権の証券化により、次のメリットを得ることができます。
た。
X社とSPCを別々に考えれば、X社の株主資本比率(自己資本比率)は、証券化前の20%になりました。
つまり、財務体質が強化されました。
は、X社の借入金利からABSの金利になりました。
X社の借入負債の格付けはBB、SPCのABSの格付けはAAであるので、ABSの金利はX杜の借入金利より低く、X社はSPCを通じ、より低い金利で資金調達できるようになりました。
ヤツシュフローのリターンとリスクはすべて投資家のものですですから、Y社が経営破綻し、同社に対する売掛金債権が債務不履行になっても、X社には何らの関係もありません。
また、X社(原債権者と呼ばれます)に倒産などの不測の事態が起きたときにも、Y社からの売掛金の回収からABS保有者への元利払いまで、何らの影響もありません。
資金調達の多様化や資産の効率化を迫られる企業が増えています。
証券化の手順は次のとおりです。
いくらのコストであれば、証券化を実施するのかを判断しなければなりません。
財務を担当する部門、対象資産を管轄している部門、実際の管理を行っている部門、さらにはシステム担当部門など、多くの部門が数カ月にわたって協力していけるような戦略立案が、証券化の成功には必要であり、これらの部門の理解を得なければなりません。
資産を証券化していくうえでもとになるのは、対象となる資産のキャッシュフローです。
つまり、資産から生まれてくるキャッシュフローが、資産担保証券(ABS) の利払いと元本の償還に充てられます。
証券化しやすい資産の特徴は次の4点です。
平不可197リスクが分散しているものです。
りながら、定款により、事業目的と運営が証券化の遂行のみに制限されている会社です。
本書の例示では、SPCは、資本金1億円で、X社の主導で設立されていますが、財務上は連結決算の対象にはならず、まったくの第三者として機能しています。
つまり、SPCは、あらかじめ定められた運営規則に則って中立の第三者(通常は弁護士や会計事務所)によって運営されています。
X社が資産をSPCに完全に売却すると、売却した資産は完全にX社の貸借対照表上から外れます。
これにより、X社に何が起ころうとも、投資家は影響を受けません。
従来日本では、SPCは費用や利便性の面で難があったため信託の利用が中心でしたが、利用促進のため、SPC法(特定目的会社の証券発行による特定資産の流動化に関する法律)」 (1998年6月公布)が制定されました。
本書の例示では、X社の格付けはBB、Y社の格付けはAAです。
もしY社の格付けがBBであるならば、Y社に対する売掛金債権を形で証券化することは難しいかもしれません。
証券化をスムーズに行うための有効な技術が「信用補完技術」です。
信用補完技術には、優先・劣後構造の採用、超過担保、保証会社の利用の日本のファイナンスにおける証券化|章のABSに仕立てるのではなく、複数の優先順位の異なるABSにすることであり、信用補完の最も標準的な方法です。
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